電子工作に興味がある、もしくは始めたばかりの人が抱えやすい悩みのうちの一つに、”何を作ればいいのかわからない”というものがあります。
3年前に電子工作を始めた当時の私も、まったく同じ悩みを抱えていました。そして、"作品のアイデアが思い浮かばない = 電子工作を楽しむ才能がない"と曲解してしまい、電子工作をやめかけたこともあります。
そんな私も、今では作りたいものが次々と思い浮かび、むしろ作業できる時間が足りなくて困っている状態です。
というわけで、今回は"電子工作に興味があるが、作りたいものが思い浮かばない"という人に向けて、そのような状態に陥る原因と向き合い方について、自分なりに考えたことを書いていこうと思います。
作りたいものが思い浮かばない←最初はみんなそう
まずこれだけは覚えて帰ってほしいのは、”やる気はあるのに作りたいものが思い浮かばないのは当たり前だし、みんな始めたての頃は経験している”ということです。
決して、あなたの発想力や意欲が足りていない、ということではないのでそれだけは覚えておいてください。
そもそも、この記事にたどり着いている時点で、あなたは悩みを抱えつつも、それでも電子工作を続けたい、そしていろんなものを作ってみたいという意欲をもっているはずです。
なので、あなたには電子工作を続ける素質が十分にあると思います。
では、どうして意欲があるのに作りたいものが思い浮かばないのでしょうか。
原因は、"使いこなせる電子部品の数が少ない”から
作りたいものが思い浮かばない理由、それはズバリ”使いこなせる電子部品の数が少ない”だと、私は考えます。
少しふわっとした答えになってしまったので、料理を具体例として考えてみましょう。
私たちは普段、お肉やお魚、野菜などといった食材と、様々な調味料を組み合わせることで、様々な料理を作ることができますよね。
それは私たちが生まれてきてからいろんな食材を口にし、どのような味か、どうやって調理するのが良いか、合う調味料はどれか、などといった情報をなんとなく知っているからです。
肉は焼いたほうがうまいとか、刺身には醤油とわさびが合うとかです。
さて、もし肉や魚などといった食材や各種調味料を全く口にしたことがなく、どんな味がするのか、どのように調理すればいいのかを一切知らない人がいるとします。
この人に、"スーパーにある食材でなにかおいしい料理作ってよ"と言ったらこの人はどうなるでしょうか。
スーパーの中に大量にある食材(しかも初めて見る食材しかない)の中から、相性のよい組み合わせを探して適切に調理するのはほぼ不可能だと思います。
電子工作を始めたばかりの人も同じ状況です。
電子工作ではマイコンやセンサ、IC、トランジスタなどいろいろな電子部品を組み合わせて作品を作ります。
しかし、始めたばかりの人はそもそも世の中にはどのような機能を持った電子部品があるのか、どのような場面でどんな電子部品が必要になるのか、といった知識が十分に身についていないため、”こういう電子部品を組み合わせて、こんな機能を持った作品を作ったらおもしろそう”というアイデアをひらめくことができないのです。
さて、”作りたいものが思い浮かばない症状”の原因が、単純に"電子工作の材料をあまり知らないこと"であると分かったところで、どうやったらこの状態を脱せるのかを考えてみましょう。
【解決策】とにかく、片っ端から電子部品を動かしてみる!
先ほど料理の例を出しましたが、知らない食材を深く知るためにはとりあえず食べてみるのが一番でしょう。
電子工作も同じです。例えば、使ったことのないセンサがあれば、まずはそれ単体をマイコンにつないで、どのように使うのか、何が測れるのかを実験してみましょう。
「それだけ?なんか地味でつまんなそう」と思われるかもしれませんが、じつは初めて使うセンサってちゃんと扱えるようになるには意外に苦戦することが多く、やりごたえは十分にあります。
※実は私もいまだにセンサ単体で動かしてみることはよくやってます。こんな感じ↓
その反面、そのセンサの使い方や機能を十分に知ることができたら、今度はLEDと組み合わせてみようとか、センサの値をディスプレイに表示してみようとか、少しずつ複雑で、多くの機能を持った作品を作るための足掛かりができるようになります。
つまり、まずは自分が扱える電子部品の種類を増やしていくことが大切です。おススメはセンサ、モーター、ディスプレイあたりでしょうか。
まずはこういった電子部品を単体でマイコンと繋いで、うまく扱えるようになりましょう。
そして、扱える部品が増えてくると"あれとあれを組み合わせたらこういう機能が実現できるかも"みたいなアイデアが自然と浮かんできます。
大事なのはいきなり大掛かりで、複雑で、凝った機能を持った作品を作ろうとしないことです。Youtubeなどにはすごい作品を紹介している人がたくさんいますが、彼らは超が10個付くほどの大ベテランです。
それでも、電子部品を単体で動かすだけじゃ地味だし意義がないという方もいると思います。
そういう方はぜひ、電子部品を動かしてみて、自分が学んだことや躓いたことを発信してみるといいと思います。
モノづくりをやっている人って結構がんばる初心者に優しいので、"今日はこれの使い方を覚えた!"みたいな投稿をすると結構リアクションをもらえたりするので、励みになります。
さて、長くなりましたが、とにかく最初のうちは作品を作るというより、使える電子部品(武器)を増やしていくゲームだと思って取り組んでみてください。
近日中に、電子工作で便利かつ面白い電子部品を探す方法についても記事を書こうと思います。
ここまで読んでいただきありがとうございました。よき電子工作ライフを!