AIと一緒に架空のシナリオを考えてみよう!
先日投稿した記事では、ChatGPTに対し簡単な課題を与えてみたり、プログラミングのお手伝いをしてもらいました。
今回はさらに踏み込んで、ChatGPTを活用して小説やゲーム制作に用いることができるようなシナリオを作成していきたいと思います!
まずは、"こんなシナリオが作りたい"という要望を伝えてみる
一から物語の構成を考えてもらうこともどうやら可能らしいのですが、せっかくなので話の大枠は自分で決めて、詳細についてはChatGPTに考えてもらうことにします。
とりあえず、自分で用意した物語の大枠がこちら。
舞台は月面基地。基地の一画で主人公の青年は目を覚ます。基地に他に人影はなく、地球との通信手段も限られている。唯一の手掛かりは月面基地での生活をサポートするチャット型AI。AIとの対話を通じ、月面で起こった出来事の真相に迫る。
せっかくなので、ChatGPTのようなチャット型AIが登場するようなストーリーにしてもらいます。また、私はSFとミステリーが大好きなので、それらの要素も付け加えました。
それではChatGPTに要望を出して、物語の詳細を考えてもらいます。
私の入力した設定に対し、要所要所で肉付けがされた文章が返ってきました。しかしながらよく読んでみると回答の大部分は私が提示した物語の大枠をそのまま流用しているようです。
もう少し詳細を掘り下げていきたいので、試しに月面基地の構造はどうなっているかについて質問してみます。
この結果には正直驚きました。まず月面基地そのものについては月面地下に存在するとのことでした。
私はてっきり、月の地表上に建物が露出したような構造をイメージしていたため、新たな視点を取り入れることができました。
さらに、月面基地にはどのような施設が、どのように配置されているのかということや、月面で人類が活動することに関するリスクについても言及されています。
先ほどの質問に対する答えとは打って変わり、非常に具体的かつ独創的な答えが返ってきました。
どうやら、ChatGPTは質問を深堀りしていくことで、その真価を発揮するようです。
深堀り質問を繰り返し、設定を固めていく
シナリオにはまだまだ粗削りな部分がたくさんあるので、さらに質問を繰り返し、内容を詳細まで固めていきます。
とりあえず、"なぜ月面の人々は姿を消してしまったのか"という、おそらくシナリオ最大の謎になるであろう部分を掘り下げていきます。
いくつかの回答が返ってきました。しかし、個人的にはどれもイマイチかなという感じです。というのも、突発的な災害とか政治による問題というのは、割と誰でも真っ先に考えることなので、謎としては少々弱いかなという印象です。
また、AIが登場するシナリオなので、どうせなら"自分をずっと導いていたチャットAIが実は黒幕だった"というオチにしてみようかと思います。
そこで、次のような質問をしてみました。
確かに筋は通っていますが、自分が期待していた答えとは少々異なりました。私的にはAIが積極的に月面人類を排除するようなシナリオにしてほしかったのですが...。
"もしもの話なんだけど..."という前置きで質問すると結果が変わる
とはいえ、ChatGPT自身もAIなので、"AIが望んで人々を攻撃する"なんてことは言いたくないのかもしれません。そこで、質問の仕方を次のように変えてみることにします。
すると、AIが積極的に人々を排除しようとする場合の例をいくつか挙げてくれました。ただし、"あくまで仮の話であり、実際にはAIは人間を傷つけることは決してない"という点を何度も強調しています。AIにもタブーやコンプラみたいなものがあるようですね。
とはいえ、"もしもの話"という前置きである程度回答の幅を広げることができるという点は大きな発見でした。
ここまでAIと打ち合わせをしていくにつれて、少しずつ物語の詳細が決まってきました。そこで、物語の設定を加筆修正したうえで、今一度ChatGPTに物語の詳細を考えてもらうことにします。
返ってきた回答がこちら。
物語の始まりから真相、オチまでAIが詳細を補足してくれています。
このレベルの回答がものの一分程度で返ってくるのですから衝撃です。これからは作家さんはAIと対話しながらシナリオを練っていく時代になるのかもしれません。
さらに詳細を練っていく
さて、主人公がAIに疑念を持ち、最終的に対立するようになった経緯がまだ不明瞭であるようにも思えます。そこで、次のような質問をしてみます。
なんと、基地からの脱出のために主人公を導びいていたのではなく、AI自身(おそらく基地の奥深くにあるのかな?)から主人公を遠ざけようとしていたのではないか、という結果が返ってきました。普通に面白そうな展開になってきましたね。
また、AIに言われるがままに行動した結果、先々で主人公が危険に見舞われてしまい、AIに対する疑念を抱き始めるという展開も自然だと思います。
さて、ここで肝心の主人公自身に関する設定が全然固まっていないことに気づきました。とりあえず主人公がなんで最後月面に残ることを選んだのか、考えてもらうことにしました。
どうやら怪物の研究やら駆除やら何らかのミッションを達成するために、地球への帰還をやめ月面に残る選択をしたようです。
そもそも怪物って何なんでしょうか、質問してみます。
体長数cmの生物がそのまま人を襲うとは考えにくいです。そこで、次のような2つの可能性を考えました。
①怪物の正体は、月面地下で発見された小型生物が集合した姿
②怪物は、小型生物を食料用に大型化するよう進化を促した結果、突然変異によって生まれた
どちらもありがちな展開ですが、月面では食糧問題も喫緊の課題となるでしょうから、今回は②の設定で行くことにします。
ここで問題となるのは、食料用に育てる新生物は一体に何を食べているのか、という点です。
月面で発見された生物ですから、当然、月面にあるものを食べて生きているということになります。
とはいえ、月面には土と氷しかありません。そこで、この生物は月の土壌を主食とし、土壌に多量に含まれるケイ素からアミノ酸やビタミンを代謝するという設定を考えました。
この設定に大きな矛盾があるかどうかを、ChatGPTに聞いてみます。
ChatGPT的には一応矛盾はないそうです。しかし、ChatGPTは事実とは異なる情報を自信満々にべらべらしゃべることでも有名なのであまり信用はできませんが...。
とはいえ、一応SF作品という設定なので、ケイ素と水からアミノ酸やビタミンを代謝する微生物がいても問題ないということにしておきます。
まとめ
今回はChatGPTを用いて、架空のシナリオの構想を広げていきました。ChatGPTから様々な提案を受けることで、逆に自分が新たなアイデアに気づく場面も多くありました。
今後、効率よく様々なアイデアを出したいと感じた際には、積極的に活用していきたいと思います。