はじめに
先日、ついに卒論発表会を無事に終え、何とか卒業見込みとなりました。卒論の締め切りに追われたこの2か月間は、冗談抜きで人生で一番つらい2カ月間でした。卒論執筆に関する記憶に新しいうちに、私がこの約2カ月で気づいた卒論執筆の要点について書き残しておこうと思います。卒論執筆においてよいスタートを切りたい人、何から手を付けていいかわからない人は参考になるかと思います。
それと、私は”理系・実験系”の研究室で卒論を書きました。文系の方やシミュレーションに関する研究を行っている方はその点、ご了承ください。
結局何から始めればよいのか
一番最初にやるべきことは1つです。それは、"自分の研究の意義を言葉で説明できるようにする"ことです。最初にこれをやるかやらないかでその後の作業効率は劇的に変わります。
卒業論文製作を登山として例えてみましょう。卒論を書き上げること=頂上に上ること とします。
自分の研究の意味や意義を知らないというのは、その山に初めて足を踏み入れるようなものです。どのような道筋(論文の構成)をたどって頂上を目指せばよいのか、山の大きさ(卒論に盛り込むべき情報量)はどの程度か、上るのに必要な装備(参考文献や予備知識)はどのようなものか、といった、卒論を書く前の段階で知っておくべき情報を何一つ持っていない状態なのです。
逆に、自分がこれから上る山についてある程度知識を備えておいたり、考えを巡らせておくことで、登山の効率は劇的に上昇するはずです。
もしあなたがまだ自分の研究の意義を自分の言葉で説明できないなら、誰かに助けを仰いで一緒に考えましょう。指導教員でも先輩でも同期でも、相手は誰でも構いません。
とにかく、なんとしてでも"自分の研究の意味や意義をはっきりさせる"ことが大切です。
論文の目次を作成する
卒論とは、自分の研究の意義と成果をアピールする文書です。自分の研究の意義を知っているなら、その研究を理解するうえで必要な知識(原理)は何か、その研究に必要な機材(実験システム)は何か、ということがおのずと浮かんでくるはずです。
そこで、過去の先輩や指導教員の論文を参考にしながら、自分の研究を知ってもらうために必要な情報は何か、また、それらの情報をどの順番で読者に見せるかを考えます。
一般的な例としては、①研究背景や研究の意義 ②研究に必要な予備知識 ③研究に用いた実験システム ④研究の結果と考察
という順番で、論文を書いていくことが多いです。
自分の卒論の構成、つまり目次を先に作ることで、論文の全体像をぼんやりと把握することが大切です。
あとはひたすら内容を埋めていく
正直言って、卒論で一番難しく、しんどかったのは卒論の構成を決めるところでした。逆を言えば、構成さえ決まってしまえば、あとは流れに沿って、要所要所で必要な情報を載せていくだけなので、実はそれほど難しくありません(とはいえ時間はかかりますが)。自分がそれまで何をどのように研究してきたのか、結果はどうだったのか、目の前にいる人物に説明するつもりで書きましょう。
ここからは時間との勝負になります。私からできるアドバイスとしては三つあります。
一つは毎日書くこと。一日でもサボると取り返すのが非常にきついです。
二つ目はこまめにバックアップを取ること。 数十時間分の進捗が一瞬で消失したときは自分も消えたくなります。
三つめは論文に載せる図は早いうちに作成すること。正直な話、文章は時間が無くても意外と書けます。ところが論文に載せる図はすぐに作れるようなものでない場合がほとんどです。ちょうどよい息抜きにもなるので、文章を書く集中力が切れたら図を作るのがおススメです。
最後に一番大事なこと
ここまでいろいろ述べてきましたが、一番大切なことは"困ったらすぐに周りに助けを求めること"です。はっきり言って学部4年レベルの能力でいきなり卒論を書くのはかなりしんどいです。
個人プレーに走らず、研究室の先輩や指導教員とこまめにコミュニケーションをとる(というか泣きつく)のが大事です。卒論期間はなるべく毎日研究室に顔を出しましょう。卒論を書く気があることをアピールすれば、周りも力を貸してくれるはずです。
長くなりましたが、最後までお読みいただきありがとうございました。卒論にこれから取り組まれる方の健闘を祈っています。